こんにちは、倉敷の歯医者ここのは歯科クリニックの院長吉川です。
新年度が始まり早1カ月が経とうとしています。
皆さんは新しい生活にもすっかり慣れた頃でしょうか?
ここのは歯科クリニックも開院して2カ月が過ぎようとしています。
今回は、当院で導入している唾液検査についてご案内いたします。
むし歯や歯周病は悪くなる前の予防がとても大切になります。ご自身のお口の状況をよく理解し、むし歯や歯周病のリスクにあったセルフケアを行なっていくために唾液検査を受けてみませんか?
最近では唾液検査が受けられる歯科医院が増えてきていますが、皆さんは何のために行うのか、何が分かるのかご存じでしょうか?知らない方もおられると思いますので、今回は唾液検査について簡単にご説明させていただきます。
【唾液検査でわかること】
唾液を専門の機器に通し検査することによって大きく分けて3つ、「歯の健康」「歯ぐきの健康」「口腔清潔度」について分かります。
測定内容は「むし歯菌・酸性度・緩衝能・白血球・タンパク質・アンモニア」の6項目を測定し、患者さん一人ひとりの口腔内環境が把握でき、むし歯や歯周病、口臭のリスクなどが一目でわかります。
【検査結果を元にわかること】
「歯の健康」の数値が高い方
〇むし歯菌の数値
お口の中には数多くの菌が生息していると言われています。その中でむし歯の原因になる菌として、虫歯のきっかけを作るミュータンス菌、進行に関わるラクトパチラス菌がいます。食べ物の中の糖を取り込んで、酸を生産して歯を溶かす菌です。正しい歯磨き習慣を身につけたり、歯間ブラシの習慣をつける・食事回数を見直すなどでむし歯菌のリスクを下げることができます。
〇唾液の酸性度
お口の中は唾液の働きによって中性に保たれています。しかし、飲食物を頻繁に食べる習慣や、酸性度の高い飲食物をよく食べる傾向にある方はお口の中が酸性に傾いてしまいます。
酸性に傾く状況が続くと歯が溶け始めむし歯になってしまいます。お口の中を中性に保つためには食後の歯磨きを徹底したり、酸性度の高い飲食を控えるなどが有効と言えます。
〇唾液の緩衝能
唾液の主な働きとして、むし歯菌が生産した酸を中和する役割があります。また、食事で酸性に傾いたお口の中を中性に戻すための役割も行なっています。たくさん唾液が出ることで緩衝能の働きも多くなります。唾液の分泌を促すにはこまめに水分摂取をしたり食事の際に一口30回以上噛み、たくさん唾液を出すなどが有効と言えます。
「歯ぐきの健康」の数値が高い方
〇白血球
歯ぐきが炎症している時、白血球の数値が高くなり、歯周病が進行している状態です。
〇タンパク質
歯ぐきから出血している時、タンパク質の数値が高くなります。出血は歯周病の最初の症状です。
「口腔清潔度」の数値が高い方
お口の中の細菌の数が多いと、アンモニアの数値が高くなり、口臭の原因なると言われています。お口の中の乾燥や、お口の中に食べ物が残りやすい状況(舌磨きをしていない・入れ歯を装着している方であれば丁寧に洗浄できていない・治療中の歯がありる・親知らずの生え方によって磨き残しが発生しているなど)の時も細菌が繁殖しやすくなります。一人ひとりのお口の状況に合ったケアが必要になります。
唾液検査を行うことによって、ご自身の口腔内環境がむし歯や歯周病になりやすい環境にあるのか?何が原因なのか?どう予防ををすればいいのかが分かります。
しっかりご自身で原因を理解し、むし歯や歯周病の予防を行なっていきましょう!